30代の転職体験記 · 全8章
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あの時、このままでいいのか、本気で悩んだ。

年収は100万円下がった。
責任は増えた。
それでも、簡単には辞められなかった。

家庭のリビングでパソコンを前に考え込む男性のイメージ写真
転職体験をイメージした写真です。本人の記録写真ではありません。

30代。家庭があって、守りたい生活があって、これまで積み上げてきた仕事もある。

「もう少し頑張れば、何か変わるかもしれない」

そう思いながら働き続けていた僕は、ある時、これから先の人生を本気で考えるようになりました。

次の仕事が決まる前に退職。最初の日に約20社へ応募し、約18社が書類選考で不採用でした。

それでも最終的には、年収を約100万円上げ、休日や家族との時間も見直せる環境に移ることができました。

何を間違え、何をきっかけに前へ進めたのか。
これは、僕自身の転職の記録です。

今の働き方に少しでも迷いがある人に、何か一つでも届けば嬉しいです。

STORY 01

年収600万円でも感じていた限界

年収600万円。それでも、この働き方をあと10年続けたいとは思えなかった。

当時の僕は、年収約600万円。決して低い収入ではなかったと思います。長く仕事を続け、管理職として責任のある立場も任されていました。周囲から見れば、順調にキャリアを積んでいるように見えたかもしれません。

でも、心の中には、ずっと消えない疑問がありました。「この先、自分はどこまでいけるんだろう」

身近な上司の年収は、およそ900万円。もちろん、そこまで到達するには、さらに大きな責任や成果が必要です。ただ、僕にはもう一つ、気になることがありました。

仮に収入が増えても、今より自由に働ける未来が見えなかったことです。

土日や祝日に休めない働き方。家族と予定を合わせることの難しさ。仕事が中心になっていく毎日。それが当たり前になっていました。

もちろん、仕事そのものが嫌いだったわけではありません。自分の力で成果を出すことも、チームで目標を達成することも好きでした。だからこそ、簡単に辞めようとは思えなかった。

「これまで積み上げてきたものを手放していいのか」「転職して、今より悪くなったらどうするのか」そんな不安もありました。

でも、ある時から考え方が少し変わりました。今の会社でどれだけ頑張れるかだけではなく、自分はどんな人生を送りたいのかを考えるようになったんです。

年収は大切です。でも、休日も、家族との時間も、自分の人生にとって大切なものです。当時の僕は、その当たり前のことを、うまく整理できていませんでした。

そして、そんな迷いを抱えていた時に、会社の状況が変わり始めました。

STORY 02

年収が100万円下がった日

仕事は減らなかった。それなのに、年収は100万円下がった。

当時勤めていたのは、従業員が約300人いる会社でした。僕は管理職として、日々の業務だけでなく、チームの成果や組織の目標にも責任を持つ立場でした。

しかし、会社の業績が徐々に厳しくなっていきました。その影響もあり、僕の年収は約600万円から約500万円に下がりました。

100万円。月額に換算すると、約8万3,000円です。家計や将来の生活を考えれば、決して小さな金額ではありません。

もちろん、会社の業績が悪化すれば、従業員の待遇に影響が出ることもあります。そのこと自体は理解していました。

ただ、僕が苦しかったのは、収入が減ったことだけではありません。年収が下がっても、仕事の責任や負担は軽くならなかったことです。

むしろ、難しい状況だからこそ、管理職に求められることは増えていきました。成果を出さなければいけない。チームのことも考えなければいけない。会社の方針にも応えなければいけない。

それでも、生活のことを考えれば、簡単に仕事を手放すことはできません。「今までの頑張りは、何だったんだろう」そんな気持ちになることもありました。

でも、ここで一つ気づいたことがあります。会社の評価や給与だけで、自分の価値を判断してはいけないのかもしれない。

会社の業績と、個人が積み上げてきた経験や能力は、必ずしも同じように変化するものではありません。とはいえ、当時の僕には、自分の経験が社外でどの程度評価されるのか分かりませんでした。

それが、次の大きな悩みにつながっていきます。

STORY 03

管理職としての10年間の葛藤

会社のために頑張るほど、自分の人生を後回しにしていた。

僕は約10年間、マネジメントに関わってきました。目標を達成するために、必要な数字を考える。数字を行動に分解する。メンバーが成果を出せるように、仕組みや進め方を整える。そうした仕事に、長く向き合ってきました。

管理職には、現場のメンバーとは違う責任があります。会社が求める成果を出さなければいけない。一方で、現場には現場の事情があります。数字だけでは測れない努力もあれば、思うように結果が出ない時期もあります。

経営側の期待と、現場の現実。その間で考え続けることが、僕の仕事の一部でした。

成果が出た時は、もちろん嬉しかったです。でも、うまくいかない時ほど、責任を強く感じました。「もっと自分にできることがあったんじゃないか」そう考えることも少なくありませんでした。

そして、気づかないうちに、仕事の悩みを仕事の時間だけで終わらせられなくなっていました。休みの日も、頭のどこかで仕事のことを考えている。家族と過ごしていても、気持ちを切り替えきれない。

そんな状態が続くと、少しずつ疲れが積み重なっていきます。それでも僕は、自分のキャリアについて、こう説明していました。「営業をやってきました」「管理職を経験してきました」

今なら分かります。この説明では、自分が本当に積み上げてきたものが、ほとんど伝わっていません。

ただ、当時はそれに気づけませんでした。自分の仕事を誰よりも知っているはずなのに、自分の強みをうまく説明できなかったんです。

そんな状態で、僕は転職活動を考え始めました。

STORY 04

内定を2社辞退した理由

年収700万円の内定をもらった。それでも、僕は断った。

転職を考える中で、ありがたいことに、内定をいただけた企業もありました。そのうちの一社では、年収約700万円という条件を提示していただきました。

当時の年収から考えれば、大きな改善です。以前の年収600万円を超える条件でもありました。普通に考えれば、魅力的な話だったと思います。

でも、仕事内容や働き方を確認する中で、気になることがありました。平日は朝8時頃から夜23時頃まで働くことが想定され、勤務時間外にも仕事に関わる予定がありました。

もちろん、その働き方を選ぶ人もいると思います。挑戦できる環境や、得られる経験に価値を感じる人もいるでしょう。

ただ、僕が転職で変えたかったのは、収入だけではありませんでした。家族と過ごす時間も、働き方も、見直したかったんです。

年収が上がっても、そこが変わらなければ、自分にとって本当に良い転職なのか。そう考えた結果、辞退しました。

もう一社も、給与条件は魅力的でした。しかし、休日の条件が自分の希望と合わず、面接の中で説明に一貫性がないと感じる部分もありました。そのため、こちらも辞退することにしました。

もちろん、内定を断ることには不安がありました。次にもっと良い条件が見つかる保証はありません。

それでも、ここだけは譲れないと思いました。年収が上がることと、自分に合った会社に入ることは、同じではない。

転職活動では、年収という数字がどうしても目に入ります。でも、その数字だけで決めていたら、僕はまた同じ悩みを繰り返していたかもしれません。

そうして悩みながら、僕はさらに大きな決断をすることになります。

STORY 05

次が決まる前に退職した決断

次の仕事が決まっていない。それでも、会社を辞めることにした。

今振り返っても、簡単な決断ではありませんでした。家庭がある。毎月の生活費がある。この先、いつ次の仕事が決まるかも分からない。そんな状態で収入が途切れることは、大きな不安でした。

会社からは、残ることも勧めていただきました。それでも、僕は退職することを選びました。

これまでの経験や、会社で任せてもらった仕事には感謝しています。ただ、このまま働き続けることが、自分の望む未来につながっているとは思えなくなっていました。だから、一度環境を変えようと決めました。

ここで、誤解してほしくないことがあります。僕は、次の仕事が決まる前に退職することをおすすめしたいわけではありません。

むしろ、今の自分が当時の自分に声をかけるなら、こう伝えます。「できることなら、在職中から転職活動を進めておいたほうがいい」

転職活動には、思っている以上に時間がかかることがあります。希望する企業が見つからないこともある。応募しても、選考に進めないこともある。

収入がない状態では、気持ちに余裕を持って判断することも難しくなります。当時の僕は、そうした現実を十分に理解できていませんでした。

そして退職後、その厳しさを実感することになります。

STORY 06

約2か月の転職活動の現実

約20社に応募した。面接に進めたのは、ほんのわずかだった。

退職してから、転職活動を本格的に進めました。最初は、自分なりに経験を整理し、応募を始めました。

管理職の経験がある。営業で成果を出してきた。チームのマネジメントもしてきた。だから、一定の評価はしてもらえるだろう。そんな期待も、正直ありました。

しかし、現実は想像していたものとは違いました。最初の日に応募したのは、約20社。そのうち、約18社は書類選考で不採用。面接に進めた2社も、結果は不採用でした。

これまで積み上げてきた経験が、どこにも届いていないような気がしました。

もちろん、書類選考で落ちた理由をすべて知ることはできません。募集条件との相性もあれば、企業が求める経験との違いもあります。

それでも、不採用が続くと、自分自身を否定されたように感じてしまうことがあります。「自分の経験は、他の会社では通用しないのか」「このまま次の仕事が決まらなかったらどうしよう」

そんな不安が大きくなりました。特に、家族がいる中での転職活動は、仕事が見つからない焦りだけではありません。生活のことも、将来のことも考えなければいけません。

そして、転職活動が長引くほど、当初考えていた希望条件を下げたほうがいいのではないか、という気持ちも出てきました。

でも、ここで条件を妥協しすぎたら、何のために転職を決めたのか分からなくなる。その思いもありました。

転職活動を始めてから約2か月。自分一人で考えることに限界を感じていた僕は、転職エージェントを利用することにしました。そこで初めて、これまでの転職活動で見落としていたことに気づきます。

STORY 07

自分の強みを言葉にできた転機

10年間の経験があっても、自分の本当の強みを説明できていなかった。

転職エージェントとの面談で、僕はこれまでの仕事について話しました。営業の経験。管理職としての経験。チームで成果を出すために取り組んできたこと。

それまでの僕は、こうした経験を、職種や役職で説明することがほとんどでした。でも、第三者と話しているうちに、少しずつ整理されていきました。

自分がやってきたのは、単に営業をすることでも、部下を管理することでもなかった。目標から逆算して、必要な行動を考え、成果が出る仕組みを作ること。

数字を分析し、課題を分解する。目標に到達するまでのプロセスを組み立てる。自分だけが成果を出すのではなく、チームとして再現できる形にする。

それが、自分の仕事の中心だったんです。言葉にしてみると、当たり前のことのように感じるかもしれません。でも、僕にとっては大きな発見でした。

なぜなら、それまで自分では、こうした経験を一つの強みとして捉えられていなかったからです。

さらに、応募書類の整理や面接対策も進めました。面接では、自分の経験をどう伝えるか。どの成果を、どんな背景とともに説明するか。どうすれば、相手の企業が求める役割と、自分の経験の接点を伝えられるか。

ロールプレイングも行いながら、準備を重ねました。そして、転職先との条件交渉でもサポートを受けました。

ここで僕が学んだのは、転職エージェントを利用すれば必ず良い転職ができる、ということではありません。自分の経験を客観的に整理することには、大きな意味があるということです。

長く働いていると、自分にとって当たり前にできることほど、その価値に気づきにくくなります。だからこそ、一度、自分の経験を他の人の視点から見直してみる。

それだけでも、キャリアの見え方が変わることがあります。僕自身も、そこから転職活動の進め方が変わっていきました。

STORY 08

年収だけではない転職の成果

年収は約100万円上がった。でも、一番嬉しかったのは、それだけじゃなかった。

最終的に、僕は新しい会社へ転職することができました。年収は、転職前と比べて約100万円アップ。それだけでも、生活を考えるうえでは大きな変化でした。

でも、僕が本当に変えたかったのは、年収だけではありません。休日の取り方。働く時間。家族と過ごす時間。そうした部分でも、以前より自分の希望に近い環境で働けるようになりました。

もちろん、転職すればすべてが楽になるわけではありません。新しい業界で働き始めた僕には、覚えなければいけないことがたくさんありました。

最初の3〜6か月ほどは、仕事が終わった後も勉強する時間が必要でした。新しい環境に慣れるための努力もありました。

それでも、以前とは大きく違うことがありました。自分が納得して選んだ環境で、前に進めているという感覚です。

転職前の僕は、年収が下がったことで、自分の価値まで下がったように感じていました。でも、そうではありませんでした。

一つの会社での評価が、自分のすべてではない。これまでの経験も、積み上げてきた能力も、環境が変われば違う形で評価されることがあります。

もちろん、誰もが転職で年収を上げられるわけではありません。希望する条件をすべて満たせるとも限りません。だからこそ、焦って転職を決めるのではなく、自分が何を大切にしたいのかを整理することが必要だと思います。

もし、今の自分が当時の自分に伝えられるなら、三つのことを話します。一つ目。転職活動は、できるだけ在職中から始めること。二つ目。年収だけで会社を選ばないこと。三つ目。自分の強みを、他人に伝わる言葉にすること。

僕は、この三つをもっと早く知っておきたかったと思っています。

AFTERWORD

今の年収が、
あなたの価値の上限じゃない。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

僕は、転職がすべての人にとって正解だとは思っていません。今の会社で働き続けることが、最も良い選択になる人もいるでしょう。環境を変えたほうが、自分らしく働ける人もいると思います。

大切なのは、転職すること自体ではなく、自分で納得して選べる状態をつくることです。

年収が下がったからといって、あなたの経験の価値まで下がったわけではありません。今の会社で評価されていないからといって、他の会社でも同じ評価になるとは限りません。

まずは、自分が何を大切にしたいのか、これまでどんな成果を出してきたのか、一度整理してみてください。

一人で整理しにくいときは、第三者に話してみるのも一つの方法です。ユメキャリに相談してみる[PR]

家族も、年収も、諦めない。

そんな選択肢を考えるきっかけに、この記事がなれたら嬉しいです。

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自分の強みを、第三者と整理してみたい方へ。

僕自身、第三者と話すことで、説明できなかった強みを言葉にできた経験があります。

※筆者が利用した体験談ではありません。